総合的品質管理
総合的品質管理には、TQC(Total Quality
Control)とTQM(Total Quality Management)の2つに別れる。
ControlもManagementも日本語に訳すると管理という意味を持つが、意味は違ってくる。
TQMとTQCの違いは、そのまま"Management"と"Control"の違いである。
つまり、問題解決を行うには決まったプロセスを行うだけでよい。
QC活動には、問題解決の手順である、QC手法といった決まった解決方法がある。
一方、"Management"は経営とも訳され、思考のプロセスが重要視される。
思考のプロセスがあって、創造的な成果が生まれるのである。
この思考のプロセスはお決まりのパターンで対応する事もできず、かりに改善のこつやノウハウのようなものがあっても
簡単に他人に伝授することはできない。
TQCが対象とした品質は、製造品質であり欠陥をなくする品質管理であった。
TQMでは製造品質が完璧であることは当前であり、対象とするのは企画品質や設計品質であり、魅力的品質である。
社員の持っている能力を最大限に発揮させることにより、顧客を満足させる製品・各サービスの提供ができるのである。
そのためには経営そのものの品質を高めることが、最も重要な問題である。
経営品質こそが、顧客に対する製品・サービスの品質を決定するものであると認識されるようになった。
経営品質には、製品の質のみならず、業務・経営者・社員の品質など経営に関する全ての品質が含まれる。
品質経営の質を高める経営手法がTQM(Total
Quality Manegement:総合的品質経営)なのである。
統計的品質管理
統計的手法を問題解決の手段として多く用いる品質管理を統計的品質管理(SQC:Statistical
Quality Control)と呼ぶ。
統計的品質管理は、アメリカのベル研究所で行われた2つの研究による。
ひとつはシューハート博士(W. A. Shewhart)の管理図法であり、ものひとつはダッヂ(H.
F. Dodge)と
ローミング(H. G. Roming)による抜取り検査である。
シューハート博士の『工業製品の品質の経済的管理法』の著書が1931年に出版され、
管理図や統計的方法がアメリカで工業に応用された。
また、同時代、イギリスのロザムステッド農事試験場では、フィッシャ(R.
A. Fisher)により実験計画法の基本的な考え方が提案された。
これらの手法が我が国に普及し始めたのは1950年代である。
統計的品質管理の4原則
1目的明確化の原則
データをとる目的を明確にし、アクションの対象を把握する事。
2 数量化の原則
工程や検査ロットに対してアクションするには、統計的に処理できる数量化されたデータである事
-すなわち、データの位置やバラツキを整理して数量化する事。
3 層別化の原則
目的とする母集団の内容ができるだけ等質になるように層別する。
製造工程で、品質のバラツキを大きくする要因は、例えば材料メーカー・産地・機械別、又は作業者の性質・熟練度別の違いなどがある
工程を解析する場合には、過去のデータを要因別に分類して調査する必要がある
このようにデータまたは母集団をいくつかの層に分けることを層別といい、その部分集団を層という。
4 確率化の原則
工場でデータをとるのは、それによって工程やロットなどの母集団に適切なアクションをとるためであり、
試料はその母集団を忠実に代表していなければならない。
試料を母集団から、かたよりの無いようにアトランダム(at
random)に抜取ることが必要である。
このように抜取ることをランダム・サンプリング(random
sampling)という。
品質管理用語では「ランダム・サンプリングとは、母集団を構成している単位が、いずれも同じような確率でサンプル中に入るように
サンプリングすること」と定義している。
データはランダム・サンプリングによって初めて確率という統計的な考え方の基本となる最も重要な原則にマッチするのである。
正規分布
偶然原因だけによる変動をしているデータの集まりであれば、このデータの分布は正規分布に近似できる。
機械加工等の物理現象によるバラツキは偶然によって起きていると考えられる。
多くは正規分布となる。
分布の中心に平均があり、分散の平方根がシグマで表される。
シックス・シグマのシグマが実はこれであある。
一般的管理図では、3σ法といって、平均から上部・下部管理限界として3σの距離をとる。
この上限・下限管理限界の間に、99.73%が入り、管理限界の外に出た時に、その原因を探り対応する努力をする。
シックス・シグマは、上限・下限管理限界に6σを使用した場合は、この管理限界の外に品質保証のための品質品位が
くる状態となる。
抜取検査(sampling inspection)
全数検査は、検査の対象となる製品の集まり(これを検査ロットという)の全数について1個1個検査することですから
全数検査を完全に行なえば、その製品の品質を完全に保証することができる。
しかし、ビス・ナットのように値段が安くて検査個数の多いものに、時間と費用をかけて全数検査を行なうのは、
経営からみると不合理であり、また限られた時間内で全数検査を完全に行なう事は人間の能力からみて不可能に近い。
このような場合に、抜取検査を適用する必要性が生じる。
抜取検査は全数検査よりも検査個数が少ない為、検査の時間と費用が少なくてすむ。
抜取検査は検査ロットの全部を個々に調べるのではないので、検査に合格したロットの中に1つも不良が入っていないと
断言することはできない。
したがって、不良品がひとつでも混入することが許されない重要な部品に抜取検査を適用する事は出来ない。
このように全数検査と抜取検査にはそれぞれ特徴があるので、これをどのように使い分けるかは、品質保証の程度と
経済性の立場から考えてきめねばならない。
従来、工場では慣習的に、全体の数の何%を抜取るといった方法が行われてきた
このようなやり方では、信頼してロットの品質を保証することができない。
そこでこれに替わる新しい抜取方法が必要になる。
この新しい抜取検査の適用が必要になる。
この新しい抜取検査は、ロットから資料を抜き取って調べてその結果をロットの判定基準と
照らし合わせ合格・不合格を判定する検査をいう。
この場合ロットの大きさと資料の大きさの関係、ロットからの試料の抜取り方・判定基準は、統計的方法によって定める。
シックスシグマ
シックスシグマ手法は1980年代初に、アメリカの通信機器会社のモトローラ社で開発され、生産プロセス改革に用いられた手法である。
一般的にシックスシグマ方は経営・品質管理手法と呼ばれている。
トップ・ダウンで行う手法としてはTQMと同じであるが、シックスシグマの名前のとうり数値で表される品質特性値のみを扱う事で
TQMと区別されている。
テキサス・インスツルメント(IT)・アセア・ブラウン・ボリベ(ABB)・アライド・シグナル・GE等が導入し日本でもソニーが導入した。
シックスシグマ法は、品質特性値が正規分布に従えば、6σの外に出る確率は、100万回に3.4である。
シグマは品質特性値のバラツキを表し、標準偏差と訳されている。
4σでは100万回に6240件のエラーが起こり、5σでは233件となる。
この品質特性値の分布が広がっているほど品質水準は悪く、逆に狭まっているほど品質水準は高いといえる。
シックスシグマ法は、お客様に対する品質保証において、品質品位水準の中に品質特性値の6σを押さえようとするものである。
つまり、ただ単にエラーやミスが減少しただけでなく、エラーやミスの発生するプロセスやシステムそのものを対策使用とする点である。
シックスシグマ手法を用いた経営改革プロセスは、大筋においてMAICと呼ばれるプロセスを経て、
最終的に6σ基準に到達する事を目指す手法である。
M(Measurement:測定)とA(Analysis:分析)を重要視するのために、シックスシグマでは潜在している問題を解決することに
重点が置かれている事を反映している。
シックスシグマは、品質工学である田口メソッドと共通する点がある。
もうひとつの特徴は、問題解決にあたるためブラックベルトやグリーンベルト等の改革の認定者がいることである。
QCサークルでは、解決困難な問題はもともと問題として取り上げていない。
しかし、QCサークルが対象としない問題の中にこそ経営上重要な問題が潜んでいる可能性が高い。
シックスシグマが日本企業で採用が遅れたのは、シックスシグマが経営・品質手法だからである。
生産指向の時代には生産部門は生産さえしていれば良かった。
しかし、顧客指向の時代では、生産部門は開発部門や販売部門の影響を受け、生産部門は経営の影響を受けるようになったのである。
QCサークルは生産部門が単独で導入できた手法であり、それがQCサークルの限界でもあった。
しかし、シックスシグマは顧客指向を前提としていて経営手法という面を持っている為、生産部門は体質を変えることによって、
初めて導入することが可能な手法である。
そのため、シックスシグマはソニー等の限られた日本企業でしか採用されていない。
それは、シックスシグマの手法を導入するにはコーポレート・ガバナンスが確立された顧客指向に転換している企業でだからである。
多くの日本企業では、シックスシグマの手法は生産部門によって、生産部門の利益にならないということで排除させられてしまったのである。
シックスシグマはTQMやISO9000sの手法に組み込むことによって、より効果を発揮できるものと考えられる。
シックスシグマは大人の企業の、大人の手法と呼ばれている。これは下記が行われていることを表している。
1 コーポレートガバナンスの確立(トップダウン経営)
2 生産指向から顧客指向への転換
この2点が実行できている企業でなければ、シックスシグマ手法は導入しない方が良い。
シックスシグマ手法を導入しても効果がなく、シックスシグマの評判を下げるだけである。
シックスシグマ手法は、TQMやISO9000sのようなトップダウン手法と相性が良いと考えられている。
ソニーとかGEメカニカル以外の企業でも、シックスシグマ手法を活用し、業績を上げる企業も増えていくものと考えられる。

つまり確率からいうと 1σのときの面積は 68.27%であるこれは100分の15.865である
しかし2σのときの面積は95.45%であり
これは100分の2.275である
さらに3σのときの面積は 99.73%である これは1000分の1.35である
上記で計算すると4.5σで 1000000分の3.4になる
従ってシックスシグマは 6σとすると とてつもない数値になる為
4.5σの数値の時の
確率をシックスシグマの確率としている
