小集団活動の概要−−−−−−−−−


1 小集団活動とは何か?

顔を見合わせえる集団である

小集団とは、少人数でつくられた集団(グループ)です
しかし、単に少人数のグループを作れば、企業組織の小集団グループは
いつも良い効果を上げる事が出来る訳では有りません
従ってグループの作り方やグループ活動の進め方を良く考え設定しないと成果は上がりません
大切な事は、グループの質を高める事が重要になります

その為には、下記に説明するグループの条件が必要になります
つまり、企業組織運営の為、小集団活動の中身を充実させてメンバーが安心して仕事のできる組織環境を
どのように実施するか、問題解決の考えるよりどころになる訳です

顔と見合わせると言う事は、企業組織の中では、文書や電話など色々なコミュニケーションの方法と違って
グループ活動の中で顔と顔を合わせる事でコミュニケ−ションする事が一番確かであるからです
文字や言葉だけでなく、メンバーの態度や表情から意志の疎通を計る事が出きるからです

小集団活動の中では、感情の表現を含めた対話を重視し、意見や考え方を互いに尊重して、行動を確かめながら
積極的なコミュニケーションを図る事が出きます
目標を共有する為の小集団とは、メンバーが掲げた目標や課題について討議し、解決を図るための目標達成までの
一定期間、活動を継続する集団を小集団といいます

目標達成に向けて一定期間の継続的な活動が、集団の人間関係を良くして、目標や問題意識を共有する上で役立つ事は
言うまでも無いでしょう
しかし、小さいグループの集まりであるからと言っても、思いつきで集まっていたのでは
目標や問題意識を共に持つことはできなくなります

相互理解を深める集団である以上は、相手の考え方や気持ちを十分理解し問題を突き詰めて行く事で期待した成果を
上げる事が出来ます
互いに理解し合いながら互いを認めあう関係を深める事が、集団活動を行っていく上で非常に重要なのです



2 小集団活動の進め方

環境の問題点を発見する

改善を必要とする作業や、生活環境において問題点は無いか、みんなで考える事から小集団活動はスターとします
問題点を出し合った後、その中から重要性と実現性のある項目を選びグループのテーマとするかどうかを検討します

テーマを選定
グループ活動の善し悪しは、テーマの選び方がカギとなるので慎重に選定する事が重要ですになります

活動計画を作成する
活動を確実に進める為には、期間にあわせた活動計画を作成します
これがしっかりしていないと、活動の進め方においてねらい通りの効果を上げることができません
従って完了までの日程と役割を決め、計画的に活動を進めていきます

現状を分析する
改善すべき仕事の内容や業務環境の問題をデータで確かめます
経験やカンに頼らずに事実を見つめるためです
問題を解決しようとか、目標をやり遂げようといった意欲も大事ですが、それだけでは成功しません
何が問題になっているのかを正しく把握するのが現状分析です

重要な原因をつかむ
しっかりと現状を把握した後、問題となっている事実を明確にし、何が原因となっているのかを解明します
そして主要な原因をつかむわけです
表面的な事象を原因と決めつけずに、何故を繰り返しながら真の原因を捕らえるようにします

目標値を決める
現状の問題点とその主要な原因をつかめば、次にどれだけ・どこまで改善するのか目標値を決めることが重要です
目標値は、生産性に換算したりコスト削減といった形だけで無く、色々な方法を考え出す事ができます
心がけなければならないのは、目標値は一方的に与えられるものでは無く、メンバーが自分たちでたてたものであるという
設定の仕方をする事です
重点的に取り組む事柄や目標値が決まれば、改善のための検討を行います
メンバーで改善案を出し合い、その中から価値ある対策を選び具体的な方法を考えていきます
一つの問題や要因に対する対策は、一つにする必要はありませんが
もっとも効果的なものに重点を絞って取り上げることが重要です

改善を実施する
対策や改善案を実施するにあたってメンバー各自がその役割と責任をよく認識し
決められた期間の中で充分な成果を上げるように努力しあうことが重要です

下記に大切な内容を説明します
@ 対策を実施に移す過程で、現状がどのように変わりつつあるかを観察する
A 他の部門と関係が生じたり、仕事の進め方を変えなければならない時は、リーダーや、メンバーと連絡・調整する
B はじめに決めた対策が効果的でない場合には、再検討し練り直す
C 日々実施状況がわかるように、活動の推移をグラフやフローチャートなどで表すようにする

成果を確かめる
成果を確かめるポイントとして下記に示します
@ 改善実施前と実施後の状況を、できるだけ数字やグラフで表すようにする
A 当初ねらいとした以外に、別な効果が現れていないかを確かめる
B 改善を実施した事で新たな問題を引き起こしていないか確認する
C 工夫すればさらに良くなる検討する
D 目に見えない効果がどのように現れているか確認する

歯止めをする
具体的な対策の実施によって多くの効果が生まれます
活動終了後それが維持できるよう標準化したり、重点のチェックを続けるようにするのが歯止めです

活動報告をする
目標を達成した時や改善活動が終わった時は活動の進め方・改善した事柄・具体的な成果をグループ毎にまとめ
責任者に報告する習慣が重要です

この場合、あらかじめ活動報告の書式フォームを決めて活動結果が分かりやすく
他のグループとの比較が出きるようにすると効果的です
活動を活発にして永続性のあるものにする為に成果を次の活動に結びつけていく工夫が重要です


3 グループの作り方

メンバーの編成

グループのメンバーの人数はどれくらいが適しているかは定説はありません
メンバ1人1人の性格・能力やグループの置かれている状況などによって違ってきます
一般的には、6〜7名程度が問題を討議したり、活動をするにあたって適当である事は間違い無いようです
それ以上になると発言が難しくなり、逆に少なすぎると相互に刺激しあう事が少なくなり
創造的な活動ができなくなる恐れがあります。

サブグループで取り組む
グループのメンバーが10名を超える時は、2つのグループに分ける事にします
サブグループで取り組むようにすると、良い意味で活動を競いあい、効率的な進め方を試みる事が出きるからです
業務改善効果を取り上げたとすれば、2つの立場から考え、良い方法を確かめることができます
1人1人が活動に参加して責任を果たしているという意識を高める意味でも効果的です
このような考えを、ミニグループ又はテーマグループという場合もあります

グループの目的を明確に
グループを作る時は、どのような目的を持ったグループを作るのかをハッキリさせておく必要があります
グループを必要とする業務環境の中で、問題解決を主にしたものか、又は特定の問題に限定して挑戦したのかと言うように
活動のねらいをハッキリさせた上でグループ作りをする事が重要です
グループの作り方には
下記ものがあります。
@ 職場グループ
A 目的グループ
B スタディグループ

職場のグループ

職場の企業組織において職域の単位毎にグループを作り、職場の中の問題解決や仕事の改善にあたるものです
小集団活動を導入した場合に一般的に行われるのがこの標準的な方法です
まず、身近にある生活区域の問題をグループで解決すると共に、その過程で職場の雰囲気を明るくしたり
コミュニケーションをよくするためにも職場グループを発展させていく事が重要です

目的グループ
所属組織を超えて解決すべきテーマを取り上げて、それに挑戦するのが目的グループです
日常的に職場内でグループ活動を進めているところや、特定の課題をもっているところでは目的グループを作ると効果的です
又それぞれ立場や仕事が異なるもの同士でグループを作る時は、どうしても目的グループに近くなります
職場でのグループ活動が進んで来ると、問題意識が高まり目的グループが作られるケースもあります

スタディグループ
単に勉強しあうというのでは無く、企業組織にとって欠かせない知識や情報を積極的に吸収し
仕事や能力向上に生かしていこうというのがスタディグループです
その進め方は、必要とする専門能力の向上技能の習得から他社情報の分析
マーケティングの研究まで色々な方法が考えられます
職場グループ・目的グループが発展してくると、リーダーやメンバーの高度な活動技法を身につけるスタディグループを
編成する事がよくあります
又トップや管理職がスタディグループを作り、経営の方向を見極める活動を入れているところもあります
もちろん、グループ主催者のポリシーですからメンバーの個人の自己啓発を目指すスタディグループもあるわけです

グループのネーミング
グループ名はとくに決まった方法がありませんが、できるだけ親しみやすい
自分たちのグループであるというイメージを持たせた方が効果的です
何でもないようですが、メンバーの連帯感を深めてチームワークを強めるのに役立ちます
グループの活動の目的・特色にふさわしいネーミングをつけあう事で
より楽しい雰囲気を持った展開をはかることができます


4 リーダーとメンバーの役割

小集団活動は、メンバー全員の力を結集して目標の達成や職場の問題解決を目指すものですから
みんなの力をまとめていくリーダーの役割と責任には大きいものがあります

ある意味では、小集団活動が成功するかしないかは、リーダーがどれだけ優れた指導力を発揮できるかによって決まります
従って能力のある事だけでなく活動に関心を持ち意欲的に取り組もうとする人をリーダーに選ぶ事が望まれます

リーダーの選び方
一般的に小集団のリーダーの条件を下記にしまします

@ 組織などの責任者がなる
A リーダーとしての能力を持つものを指名する
B メンバーの互選で選ぶ
C メンバーが交代でリーダーをつとめる

小集団活動の導入当初に@Aの方法が多いのは経験と能力を持った者がリーダーとなって
グループを引っ張っていく事が求められるからです

しかし、小集団活動がある程度軌道にのれはABの形が望まれます
AとBのどちらが好ましいかは、その集団の目的や進め方によって左右される為、状況によって判断しなければなりません

仕事の改善とか、質の向上などを主とする場合は、リーダーシップを発揮出来る人を選ぶ事が必要です
又メンバーの能力・知識レベルに大きな違いがないグループは、むしろ交代でリーダーを受け持つ方が
役割意識・責任感を高める事になります

リーダー層を拡大する
リーダーが中心になって活動を進めると同時に、次のリーダーとなるべき人の育成を心がける事も重要です

小集団活動は、いずれの場合を問わずメンバー1人1人が参加し活動内容を充実させる事に意義があるわけで
メンバー全員がリーダーであるという意識を持つようになるまで活動を高めていく事が重要です

そのためには活動水準を向上させていく過程で、サブリーダーの育成を意図的に進めて
次のリーダー後継者を養うようにする事が重要となります
このようにしてリーダー層を拡大して行く事が、活動を活性化する事に結びつきます

リーダーの条件

@ みんなに信頼される行動をとる
A メンバーの長所を見つけて生かす
B コミュニケーションの要になる
C 独自に行動せず、全員の知恵と活動をまとめる
D 目標達成に強い情熱をもつ


リーダーの心がけ

@ メンバーの考え方やい件を的確にまとめる
A グループの目的達成に強い情熱をもつ
B 互いに指示し、助け合って、良いチームワークを作り上げる
C 活動状況を、折に触れてチェックし、ネックとなっているところを改善する。
D 活動に必要な情報を把握し、メンバーにつたえる。
E メンバーの気持ちをつかみ、信頼される行動をとる。
F すすんで活動スキルを身につけ、グループのレベルアップに努力する。

メンバーの役割
@ 小集団活動の考え方と進め方をよく理解し、すすんでメンバーとしての役割を実行するようにつとめる。
A 絶えずグループの置かれている状況を把握して、リーダーに協力して問題解決にあたる。
B メンバー同士のふれあいを深め、チームワークのとれた活動展開できるよう心がける。
C 互いに能力向上や自己啓発をはかり、グループ全体のレベルアップを目指す。
D 活動には積極的に参加し、メンバーとして、創意工夫に富んだ方法で活動を盛り上げていくよう協力する。

メンバ−の役割・分担
@ リーダー・サブリーダー・調査・スキル・企画・情報・記録
A リーダー・サブリーダー・調査・安全・品質・書記
B リーダー・サブリーダー



5 グループミーティングの進め方

出来るだけ集まりを多くしよう

小集団活動は、みんなで話し合いを進めながら問題を取り上げ活動方法を決めて解決を図っていく事が
主になるので、出来るだけ集まりを多くして自然に話し合える機会をつくる事が何よりも大事になります
このような習慣を付けるためには、短い数分の時間でも時間を決めて頻繁にミーティングを開くのも一つの方法です

メンバーの意見を引き出そう
毎月1〜2回の定例的に行う活動のような時には、メンバーの関心を高め興味を感じさせる工夫をこらした
会議の運営が必要です
活動の目的や方法によって討議の進め方に違いがありますが、共通して言える事は、リーダーの一人相撲にならないように
メンバー全員に、意見や考え方を述べる機会を与える気配りが大切です

リーダーは出来る限り、問題の提案や話し合いのきっかけを作る事に留意します
メンバーの考え方や意見を引き出し、メンバーに討議に参加したという充実感を持たせる事が
活動を活性化して生産性の高い討議を進める事になります

発言がないときは体験を聞こう
特定のメンバーに発言が偏ったり、一人が長時間発言を続けるといった事が無いように
はじめにリーダーがメンバーに協力を求めるといった心遣いが大切です
しかし問題に対する関心が低く討議への参加が消極的な時や発言のきっかけがつかめない時は
具体的な事例を示して意見を求めたり、メンバー各人の体験を聞くことが必要です

人間はすべて自分の経験の分野でエキスパートであると言われるように、経験に基づいた自信ある発言が期待できるからです

討議する問題から外れない
討議の途中で問題の方向がそれてしまったり、論議が感情的になってきた時にはリーダーが状況をよくつかまえて
何を問題にしているか・冷静に問題を捉えているか・について反省を求め討議を元に戻す事が時間の無駄を防ぎます
このように、討議の状況をきめ細かく観察し、必要に応じて適切な措置を執る事は
リーダーの大切な役割になります

効率よく討議しよう
効果的な討議の場に仕上げるためには、会議の日時・目的・進め方についてあらかじめメンバーに予定を知らせておきます
毎回決められた時間通り会議を始め必要な討議を済ませるといった習慣をつけることが大切です


6 目標のたて方

できるだけ具体的な問題を取り上げる
単に生産性を高めるとか仕事の流れを効率的にするといった抽象的な表現は避けて、できるだけ個別に
具体的な形でグループ目標を取り上げる事でその目標やテーマを身近に感じさせることができます

自分たちが困っている問題を取り上げる
職場の中又はグループのメンバーが切実に困ったり悩んだりしている問題を取り上げ
その解決を図る事を目標やテーマにすれば、みんなの関心が高まり活動への積極粋な取り組みが期待できます

解決の可能性がある問題を選ぶ
いくら難しい問題に挑戦する事に意味があると言っても、グループで解決できる可能性がある問題を対象にしないと
達成する喜びは得られないし、メンバーのやる気を失わせる事にもなります

あまり長期にわたらずに達成できる問題を対象にする
同じ目標やテーマを長期にわたって扱う事は、活動をマンネリ化させる原因になります
そのような場合は適当な時期を区切って、問題の解決や検討にあたるようにし絶えず新たな気持ちで取り組む事が
活動の活性化を図る上で大切です

探求心をもって問題点を見つける
問題意識や改善意欲を持つ人が感じるものです
ですから問題を意識したり発見する能力を向上させないと解決を要する新しい問題を捕らえて行く事が出来無くなります

目標の範囲、目標値を明確にする
企業の中のグループ活動ですから、仕事や職場の問題と全然関係のないテーマを選ぶ事が出来無いのは当然で
あらかじめ範囲を定め目標値を明確にしておく事が重要です
グループが達成すべき目標・成果が自分たちの目で確認出来るように目標値を設定し
活動を確実なものにする配慮が加えられるようになって来たのも最近の傾向です

テーマアップを図る
グループが目標やテーマを設定する時に心がけなければならないのは
毎回同じようなレベルの問題を選んでいたのでは発展が無く、活動への刺激を失わせてしまう事になります
最初は身近な問題を具体的に取り上げながら、その解決や達成に自信をつけテーマアップを図っていく事が
メンバーの挑戦意欲を高め問題解決能力を向上させていく上で、重要なポイントになります

テーマをストックしよう
小集団活動で取り上げる事が出きるテーマは、職場の中に限りなくあります
気づいた問題や改善点を書き留めておくと、テーマをたてる時大変役立ちます
発見したテーマや問題点は必ずラベルに書いて、みんなの目につきやすいところに
貼り付けるようにするのも効果的な方法の一つです


 

テ−マ選定例

日常の管理作業 項目種別の例
製 造 事 務
工程不良を逓減する 受付業務の簡素化
在庫管理を充実する ミスファイルの防止
溶接不良をなくす 購入事務の迅速化
手直し工数の低減 マニアル類の整備
手直し件数の低減 保管方法の改善
材料・部品を節約する 伝票類作成ミスの防止
制作納期の確保 VEによる購入価格の低減
苦情の再発防止 運搬業務の合理化
品質異常を減らす 事務用品の節減
品質を向上させる 手配洩れをなくす
次工程で発見されるミスをなくす 自動車無事故・無違反運転
加工洩れをなくす 文書・資料の機能的な管理
バラツキを少なくする 在庫を減らす
メッキ不良の低減 伝票照合ミスの低減
治工具を改善する 会議運営の効率化
穴あけミスの除去 仮納品の停滞減少
作業指図書を正しく守る 電話の的確な応対と電話照会の減少
指定材料の見間違いをなくす 報告様式の簡素化
職場の安全を確保する 受け入れ品の計数ミス減少
整理・整頓する W/A利用によるミスタイプの修正
自分たちの安全確保 コンピュータ端末機の活用
環境を整備する ワープロ導入による浄書の廃止
災害事故を減少させる プログラムミスの低減
安全管理充実 オペレートミスの低減
機構調度不良の低減 デバッキングの能率向上